検討に時間がかかり、金額も動く商品やサービスを、LINE公式アカウントやLステップで売っている——この記事は、そんな事業者の方に向けて書いています。
先に結論をお伝えします。LINEの自動化は、「全部をLINEの中で終わらせること」を目指すと、かえって失敗しやすくなります。 検討の長い商品では、LINEは”お客さまの連絡先をいただくまでの入口”と割り切り、最後のひと押しは人が引き取る。LINEと人をうまく組み合わせる、この「合わせ技(ハイブリッド)」の境目をどこに引くかが、契約できるかどうかを分けます。
筆者はこれまで、ガス料金の見直しをすすめる協会のLステップを3年間運用してきました(守秘のため団体名・関係者名は伏せます)。その中で、一度大きく設計を作り直した経験があります。最初は「LINEの中だけで完結させる」つもりで作ったのに、それではうまくいかず、途中から「人に渡す」形に切り替えた——この記事は、その失敗と立て直しの話です。
機能の一覧や使い方は、ほかのサイトにたくさんあります。ここでお伝えしたいのは、「どこまでをLINEに任せ、どこから人がやるか」を、自分の商品に合わせてどう決めるかです。
ありがちな失敗:「全部LINEで完結させよう」として、診断で止まる

LINEやLステップを導入するとき、多くの人がまず「人の手をできるだけ減らそう」「全部、自動で売れるようにしよう」と考えます。気持ちはよく分かります。自動応答や自動の配信は、24時間ぶれずに働いてくれるからです。
ところが、検討に時間がかかる商品では、ここに落とし穴があります。筆者も最初は、LINEの中の「かんたん診断」だけでお客さまを温めて、そのまま申し込みまで運ぶ設計にしていました。当時の失敗を、ご本人の言葉で紹介します。
最初はLINEの中の診断だけで見込み客を温めて進める設計だった。でも「診断だけ受けて止まってしまう人」が、想像以上に多かった。
「診断は受けてくれる。でも、その先に進まない」。この“診断で止まる人”が想像以上に多い、というのが、全部を自動で完結させようとしたときに、最初にぶつかった壁でした。
立て直し:早めに電話番号をうかがい、人の営業につないだ
そこで、設計を作り直しました。続きを、同じくご本人の言葉で紹介します。
そこで設計を切り替えて、早い段階で電話番号をうかがい、その後は人による電話での営業につなぐ形にした。すると契約が安定するようになった。教訓は、「全部をLINEの中で終わらせる」のが、いつも正解とは限らないということ。検討に時間がかかり、金額も動く商品では、LINEは”電話番号をいただくまでの入口”と割り切って、最後のひと押しは人に渡す——その渡し場所をどこに置くかが勝負だった。
ポイントは、LINEの役割を「売り切る装置」から「連絡先をいただくまでの入口」へと、はっきり割り切ったことです。
LINEがやるのは、24時間いつでも一次受けをして、かんたんな聞き取りをして、「この人は見込みがありそう」という段階まで連れてくるところまで。そこから先の、こみ入った相談や最後のひと押しは、人が電話で引き取る。 役割を分けたことで、診断で止まっていた人を、人の手で契約まで運べるようになりました。
(※ここでお伝えしているのは、あくまで筆者の現場での経験です。料金がいくら下がるといった効果や、契約できる割合をお約束するものではありません。)
「LINEだけで売り切ろうとして、診断や登録で止まっていませんか?」 今の商品とお客さまの動きをうかがったうえで、どこまでをLINEに任せ、どこから人に渡すべきかを具体的にお伝えします。
なぜ「人に渡す」とうまくいくのか——温まった人は”締めるだけ”で決まる
「人に渡す」と聞くと、自動化の逆戻りのように感じるかもしれません。でも、実際は逆です。自動化が得意なことと、人が得意なことは、はっきり違うからです。
別の案件でも、同じことを強く感じました。すでに気持ちが温まっている人がLINEに登録してくる仕組みを作ったとき、こちらは余計な説得をせず、やるべき手続きを淡々と正確にやるだけで契約になりました。 言いかえると、温まった人に必要なのは、長い自動の配信ではなく、「最後のひと押し」を人がしっかりやることだったのです。
逆に、自動の仕組みが苦手なのは、次のようなところです。
- こみ入った個別の相談(「この2つで迷っている」のような、状況によって答えが変わる質問)
- 最後のひと押し(背中を押す、不安を1つずつ解く)
- 想定していなかった例外への対応
この「人にしかできないところ」を自動でやらせようとすると、お客さまは”なんとなく分かったけれど、決めきれない”まま止まってしまう。 診断で止まる人が多かったのは、まさにこれが理由でした。
集客の「質・温度」が契約をどう左右するかは、別の記事でくわしく書きました。あわせてどうぞ。
👉 Lステップの流入経路分析は”登録数”を見る機能ではない——223経路・3年運用で掴んだ判断軸
線の引き方:LINEに任せる仕事/人がやる仕事

では、どこまでをLINEに任せ、どこから人がやるべきか。筆者がたどり着いた役割の分け方を、ご本人の言葉で紹介します。
集客は外、育成は仕組み、判断は人。人を連れてくるのは外の媒体、事務と進み具合を巻き取るのはLINE、最後の意思決定は人。この「人がやる所」と「仕組みに任せる所」の線引きが、成否を分けた。
これを、もう少し具体的に分けると、次のようになります。
LINE(仕組み)に任せると強いこと
- 24時間いつでも、登録してきた人の一次受けをする
- かんたんな聞き取り(診断・回答フォーム)で、状況を集める
- 「どんな人か」を登録時に自動でタグを付けて仕分ける
- 切れそうなタイミングなど、ちょうどよい時に連絡する
- 書類集めや進み具合の管理といった事務
人がやるべきこと
- こみ入った相談に、状況を見て答える
- 最後のひと押しをする
- 想定外の例外に対応する
LINEに「人がやるべきこと」までやらせない。人に「仕組みでできること」をやらせない。この線引きがはっきりしているほど、人は”人にしかできないこと”に集中でき、仕組みは24時間ぶれずに動き続けます。
「渡す場所」をどこに置くか——3つの接続点と、判断のものさし

最後に、実際に「人へ渡す場所(接続点)」をどこに置くかです。よくあるのは、次の3つです。
- 電話番号をいただいて、人が電話する:筆者が選んだ形。検討が長く、金額も動く商品に向きます。早めに連絡先をいただくのがカギです。
- 日程を予約してもらい、ZOOMや対面で話す:説明に時間がいる商品や、相談しながら決める商品に向きます。
- その場の有人のやりとりに切り替える:「今すぐ聞きたい」が多い商品で、待たせると冷めてしまう場合に向きます。
どこに置くかは、商品の性質で決めます。判断のものさしは、シンプルにこの2つです。
- 金額が高い/検討が長い/一人ひとり事情が違う → 早めに人へ渡す(LINEは連絡先をいただくまで)
- 金額が安い/その場で決まる/話が定型的 → LINEの中で完結させてよい
自分の商品がどちらに近いかで、「全部LINEで完結」か「早めに人へ渡す」かが変わります。大事なのは、最初から「完結型」と決めつけないこと。 筆者のように、走らせてみて「診断で止まる人」が多ければ、渡す場所を前に動かせばいいのです。
自社で設計するためのチェックリスト
- 自分の商品は「完結型」か「人に渡す型」か、性質で判断する 金額・検討の長さ・事情の個別さで見ます。迷ったら、まずは人に渡す型から試すほうが安全です。
- 「診断や登録で止まる人」がどれくらいいるかを見る ここが多いなら、LINEだけで完結させようとして無理が出ているサインです。
- 人へ渡す「接続点」を1つ決める 電話・予約・有人のやりとりのどれにするかを決め、そこへ向かう流れを作ります。
- 連絡先は「早すぎず、遅すぎず」のタイミングでいただく 早すぎると警戒され、遅すぎると気持ちが下がります。診断で関心が高まった直後が目安です。
- LINEと人の役割を、紙に書いて分ける 「ここまでLINE/ここから人」を、関わる全員が同じ絵で見られるようにします。
まとめ:LINEは”入口”、最後は人
- 検討の長い商品では、「全部LINEで完結」を目指すと、診断や登録で止まる人が増えやすい
- LINEは”連絡先をいただくまでの入口”と割り切り、最後のひと押しは人が引き取る
- 自動の仕組みが得意なのは、一次受け・聞き取り・仕分け・ちょうどよい連絡・事務。人が得意なのは、個別の相談・ひと押し・例外対応
- 「渡す場所(接続点)」は、電話・予約・有人のやりとりから、商品の性質で選ぶ
- 迷ったら、まず人に渡す型から始め、止まる人の多さを見て渡す場所を動かす
機能の設定は調べれば分かります。難しいのは、自分の商品に合わせて「どこまでLINE・どこから人」の線を引き、渡す場所を決めることです。
「うちの商品だと、どこまでLINEに任せて、どこから人が出るべき?」を相談したい方へ。 商品の性質と、今のお客さまの動きをうかがえれば、線の引き方と渡す場所の置き方を具体的にお答えします。
この記事を書いた人 高山 暁|LINE公式アカウント×Lステップの構築・運用代行 1アカウント・入口223本・友だち4,559人を「誰がどこから来たか分かる形」で管理する運用を3年継続中。提携先との連携の立ち上げ、ネット通販・代理店募集の自動化など、複数の業種のLステップ実案件に従事。
公開日:2026-06-16

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