『配ったクーポン、結局どれだけ使われたんだろう』——ショップカードやクーポンを一度でも配ったことがある方なら、頭をよぎったことがあるはずです。
先に結論です。LINEのショップカード(ポイントカードのLINE版)もクーポンも、LINE公式アカウントに標準で備わっている機能で、手順どおりに進めれば自分で作れます。 私はLINEの仕組みづくりを3年、友だち4,559人・入口223本の規模で運用してきましたが、その経験から言えるのは——難しいのは作ることではなく、「配って終わり」にしないことです。
この記事では、ショップカードとクーポンの使い分け、それぞれの作り方、そして作ったあとに差が出る「配った後の設計」まで、順番にお伝えします。
結論:どちらも標準機能で作れます
ショップカードもクーポンも、LINE公式アカウントの管理メニューに最初から入っている機能です。 アカウント自体も月額0円のプランから開設できます(2026年7月時点・公式のプラン案内より)。「専用のアプリや外部のシステムを契約しないと作れないのでは」と思われがちですが、その必要はありません。
公式の説明では、ショップカードは「来店や商品購入の特典として付与するポイントを、LINE公式アカウントで発行・管理できる機能」とされています。つまり、紙のポイントカードのLINE版です。財布の中で眠らないこと、そして「カードを持っている人に、こちらから連絡できる」ことが紙との決定的な違いです。
では、ショップカードとクーポン、どちらを使えばいいのか。まずここを整理します。
ショップカードとクーポンの違いと使い分け

似た販促の道具に見えますが、働きが違います。
- ショップカード——「通ってもらう」ための道具。来店のたびにQRコードでポイントが貯まり、ゴールで特典と交換。何度も来てほしいお店(飲食・サロン・整体院など)向き。
- クーポン——「今回の一歩を後押しする」道具。割引や特典を期限つきで届けて、迷っている人の背中を押す。来店や購入のきっかけづくり向き。
覚え方はこうです。ショップカードは長距離走の伴走者、クーポンは号砲。 目的が「常連づくり」ならショップカード、「今月の来店を増やす」ならクーポン。両方使う場合も、この役割の線を引いてから作ると、特典の設計がぶれません。
もうひとつ、意外に知られていない違いがあります。クーポンには「条件なし・抽選・友だち紹介」の3タイプがあり、抽選では当選確率と当選者数の上限を設定できます(公式マニュアルより)。「全員に10%引き」だけがクーポンではない、ということです。
LINEショップカードの作り方

管理画面での流れは、大きく5つです。
- ゴールを決める——何ポイントで特典に届くか。最初は「小さく早く1周できる」設定がおすすめです(例:5ポイントで重い特典より、3ポイントで小さな特典)。1周した人だけが「2枚目」に進むからです。
- 特典を決める——ゴール到達時に受け取れる特典チケットを作ります。原価の重い特典を最初のゴールに置かないのがコツです。
- デザインと有効期限を設定する——背景と色を選び、カードの有効期限を設定します。期限切れの前に通知を出す設定もできます。
- ポイント付与用のQRコードを取得する——付与用QRコードは管理画面から取得でき、印刷して使えます。レジ横に置く紙、スタッフが提示する画面、どちらの運用かを先に決めておきます。
- 公開して、リッチメニューに載せる——作って公開しただけでは気づかれません。トーク画面下のリッチメニューに「ポイントカード」の枠を作って常設します。
ここまでで「作る」は完了です。所要時間は、特典さえ決まっていれば1時間かかりません。
LINEクーポンの作り方と配り方
クーポンも管理メニューから作成します。名前・有効期間・画像・利用方法を設定し、割引などの種類を選べば完成です。大事なのは、作り方より「どこで配るか」の設計です。配り先は主に4つあります。
- あいさつメッセージ——友だち追加の直後に届ける「登録ありがとうクーポン」。登録の後押しに一番働く置き場所です
- メッセージ配信——月初の告知や雨の日の当日配信など、狙ったタイミングで届ける
- リッチメニュー・応答メッセージ——「クーポン」と押せば(送れば)いつでも出てくる常設置き場
- 友だち紹介——紹介した人・された人だけが受け取れるタイプ。常連さんの口コミを仕組みにできます
ここまでが、検索で出てくる「作り方」の話です。ただ、冒頭の問いを思い出してください。『配ったクーポン、どれだけ使われたんだろう』——本当に差が出るのは、ここから先です。
「うちの店ならどう設計する?」を相談したい方へ。 業種と客層をうかがえれば、ショップカードとクーポンの役割分担から特典の重さまで、具体的にお答えします。
「配って終わり」にしない——クーポンの後を3つに分ける

私が運用してきた案件に、表現の制約がとても強い業種(医薬品の通販サービス)があります。商品の良さを言葉で訴求できないため、クーポンを配ったあとの設計だけで再購入をつくる必要がありました。そこで学んだことが、そのまま店舗の販促にも当てはまります。
クーポンを配ったあとのお客さまは、実は3種類に分かれています。①使って買った人 ②受け取ったのに使っていない人 ③そもそも受け取っていない人。 購入者だけを見ていても伸びません。この3つを分けて、それぞれ別の声かけをするようにしたら、いままで取りこぼしていた層を拾えるようになりました。分ける粒度が、成果を決めます。
具体的には、こうなります。
- 使った人には——お礼と「次」の案内。ショップカードのポイントに接続して、単発の来店を「通う理由」に変えます。
- 受け取って使っていない人には——期限前の思い出し連絡。「明日までです」の一言は、売り込みではなく親切として届きます。
- 受け取っていない人には——別の切り口。クーポンに反応しない人に同じクーポンを何度送っても動きません。診断や案内など、入口を変えます。
もうひとつ、同じ案件からの気づきです。再来店の連絡は「全員に月1回」より、その人の間隔に合わせるほうが自然に届きます。たとえば前回の来店から時間が空きはじめた頃に、そっと1通。この「切れる頃に届ける」考え方はLINEのリピート配信を「切れる頃」に送るタイミング設計で詳しく書いています。
そして、この「3つに分ける」を実際にやるには、誰がクーポンを使ったか・どこから来た人かが記録されている必要があります。その土台がLINEのタグ付けの基本です。配る前にタグの置き場所を決めておくと、配ったあとの打ち手が全部変わります。
特典と表現で気をつけること
3年運用してきた立場から、先回りの注意を3つだけ。
注意1:特典は「続けられる重さ」にする。 初回だけ豪華にすると、2周目以降が続かず、カード自体が止まります。ポイント1周目は軽く・早く、常連向けの2周目以降で少しずつ厚く、が長持ちする形です。
注意2:表現を盛らない。 割引の大きさを盛る断定や、他店と比べる言い切りは、景品表示法の観点でも、お客さまの信頼の観点でも損です。割引率と期限を、事実のまま書けば十分伝わります。
注意3:配りすぎない。 クーポンが毎週届くと、定価で買うのが損に感じられて、クーポンなしでは動かないお客さまを育ててしまいます。号砲は、ここぞの時に鳴らすから働きます。
自分で設計するときのチェックリスト
- 目的を1つ決める(常連づくり→ショップカード/今月の来店→クーポン)
- 1周目のゴールは軽くする(早く1周=「貯まる実感」を先に渡す)
- 配り先を決めてから作る(あいさつ/配信/リッチメニュー常設/紹介)
- 使った人・使っていない人・受け取っていない人の3つに分ける
- 期限前の思い出し連絡を1通だけ設定する(親切として届く範囲で)
まとめ:カードとクーポンは「配った後」が本番
- ショップカードもクーポンも、LINE公式アカウントの標準機能で作れる(月額0円プランから)
- 使い分けは「通ってもらう」ならショップカード、「今回の後押し」ならクーポン
- 作るのは1時間。差が出るのは配った後——使った/使っていない/受け取っていない、の3分割
- 特典は続けられる重さに、表現は事実のまま、配るのはここぞの時に
『配ったクーポン、どれだけ使われたんだろう』——この問いに答えられる状態を作ること自体が、じつは販促の設計です。まずは今夜、直近に配ったクーポンの「使った人・使っていない人」を数えるところから始めてみてください。数えられなかったら、それが次に直す場所です。
「配ったあとの仕組み」まで含めて設計したい方へ。 業種・客単価・再来店の間隔をうかがえれば、ショップカード・クーポン・配信をどうつなぐか、具体的にお答えします。しつこい営業はしません。
この記事を書いた人 高山 暁|LINE公式アカウント×Lステップの構築・運用代行 「配った後」を設計する運用が持ち味。1アカウント・入口223本・友だち4,559人を「誰がどこから来て、何に反応したか分かる形」で3年運用。表現制約の強い業種を含む複数業種のLステップ実案件に従事。
公開日:2026-07-17

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