『予約のやりとりだけで、夜が終わっている』——DMと電話で予約を受けている方から、よくいただく相談です。
結論から言えば、LINEの予約システムは無料で作れます。私は「受付フォーム→自動通知→状態の管理」という予約と同じ仕組みを3年運用してきました(回答フォームだけで約135本)。ただ、その経験から先にお伝えしたいことがあります。「予約システム」というひとつの製品を探すから、迷うのです。
予約の仕組みは、分解するとたった3つの部品でできています。受付・台帳・リマインド。この3つに分けて考えると、「どこまで無料の道具で足りるか」「どこから有料に切り替えるべきか」を、自分の商売に合わせて線引きできるようになります。この記事では、作る方法3つと、その線の引き方を順番に見ていきます。
結論:LINEの予約システムは無料で作れます
先に短く答えます。LINE公式アカウントは無料で開設でき、予約の受付だけなら追加費用なしで始められます。飲食店なら公式の「LINEで予約」、それ以外の業種ならLステップのフリープランを足す方法があります。
ただし「無料でできるか」より大事な問いがあります。それは、あなたのお店の予約業務のうち、どの部分に一番時間を取られているかです。受付そのものか、予約の管理か、前日の確認連絡か——どこが重いかによって、選ぶ方法が変わります。
そこでまず、「予約システム」の中身をほどくところから始めます。
「予約システム」を3つの部品に分けて考える

高い予約システムも、手作りの仕組みも、中身は同じ3つの部品でできています。
- 受付——お客さまが「この日に行きたい」を伝える入口。フォームやメッセージ。
- 台帳——誰が・いつ・何を予約したかの一覧。紙の予約ノートのLINE版です。
- リマインド——予約日が近づいたら思い出してもらう連絡。無断キャンセルを減らす部品です。
冒頭の「予約のやりとりで夜が終わる」の正体は、じつはこの3つを全部、頭の中と手作業でやっていることです。DMで受けて(受付)、手帳に書き写して(台帳)、前日に一人ずつ送る(リマインド)。部品ごとに見れば、どこが人手の限界かがはっきりします。
私がLステップの運用で3年間やってきたのも、突き詰めればこの3部品の設計でした。ガス料金見直しの相談窓口では、受付フォームを約135本作り分け、誰がどの段階にいるかをタグで管理してきました。予約もまったく同じ構造です。
では、この3部品を無料の道具でどう組むか。方法は大きく3つあります。
無料でできる作り方は3つ
方法1:LINE公式アカウントだけで受け付ける
いちばん身近なのは、LINE公式アカウントを無料で開設し、トークで予約を受ける方法です。あいさつメッセージに「予約はこちらのトークに『日付・時間・人数』をお送りください」と書いておくだけでも、受付の部品は動き始めます。応答メッセージ(自動返信)で営業時間や空き状況の目安を返す形にすれば、夜中の問い合わせにも一次対応できます。
- 向いている:予約が1日数件までの小さなお店・教室・サロン
- 弱点:台帳とリマインドが人手のまま。予約が増えるほど、転記ミスと送り忘れが増えます
つまりこの方法は「受付だけ自動化」です。件数が少ないうちは十分ですが、増えてきたら次の方法を検討します。
方法2:飲食店なら公式の「LINEで予約」が使える
飲食店に限っては、LINE公式アカウントに「LINEで予約」という公式機能があります。お客さまがLINEの中で人数・日時を選んで予約でき、LINE公式アカウント経由の予約手数料は0円と案内されています(LINEヤフー公式・2026年7月時点)。
ただし条件があります。対象は飲食店のみで、ぐるなびなどのグルメサイト・予約管理サービスとの連携契約が前提です。連携先の契約プランによっては費用が発生する場合もあるので、いま使っているグルメサイトが対応しているかを先に確認してください。
- 向いている:グルメサイトをすでに使っている飲食店
- 弱点:飲食店以外は使えない。台帳は連携先のサービス側で持つ形になります
なお、Googleカレンダーの「予約スケジュール」機能を組み合わせる方法もよく紹介されますが、一部の機能はGoogle WorkspaceやGoogle Oneの契約が必要とされています。無料でどこまで使えるかは変わることがあるので、使う前に公式ヘルプでの確認をおすすめします。
方法3:Lステップのフリープランで組む(飲食店以外もOK)
サロン・教室・整体院・相談業など、飲食店以外で「受付・台帳・リマインド」を3つとも仕組みにしたい場合は、LINE公式アカウントにLステップ(無料プランあり)を足す方法があります。Lステップの公式ブログでも、無料プランでも予約システムを構築できますと説明されています(2026年7月時点)。
回答フォームで受け付け、対応マーク(ステータス)で台帳を作り、リマインダ配信で前日連絡を自動化する——3部品がひととおり揃います。具体的な組み方は、次の章で私の実例と一緒にお見せします。
ここまでで方法は出揃いました。では実際に、どう組むと「夜が終わる予約対応」から抜け出せるのか——私が運用してきた仕組みをそのまま開きます。
Lステップで予約の仕組みを作る手順

私は、代理店の受け入れ手続きを半自動化するアカウントを運用しています。「申し込みが入る→内容を確認する→次の案内を送る」という流れは、お店の予約とまったく同じ構造です。そこで実際にやっている組み方を、予約に置き換えてお伝えします。手順は4つです。
- 受付フォームを作る——希望日・時間・メニュー・名前を選んでもらう回答フォームを用意し、リッチメニューに「予約する」ボタンとして置きます。
- 回答が来たら自分に自動通知——フォームの回答をスタッフのLINEに飛ばします。見落としがなくなり、「気づいたら返す」から「届いたら確定を返す」に変わります。
- 対応マークで台帳にする——「予約受付→確定→来店済み→キャンセル」のように状態を切り替えます。管理画面を開けば、誰がどの状態かが一覧で見える。紙の予約ノートがここに移ります。
- リマインダ配信を設定する——予約日を起点に「前日にお知らせを送る」を自動化します。送り忘れがなくなり、無断キャンセルの主因である「うっかり」に先回りできます。
この仕組みを作って、いちばん変わったことについて、私の実感はこうです。
導入前は、誰がどの段階にいるかが担当者の記憶頼みでした。状態の管理を入れてからは、「どこで止まっているか」が一目で分かるようになった。全員を均等に追いかけるのではなく、止まっている人を見つけてそこに連絡を当てる——フォローの優先順位がつくようになったのが、いちばんの変化です。
もうひとつ、予約でそのまま生きる気づきがあります。申し込みの直後が、いちばん温度が高いということです。「予約したい」と思った瞬間に、フォームで自分の都合を選んで送信し、すぐ受付の返事が届く。この「待たせない」動きを仕組みで作れると、途中離脱がはっきり減ります。逆に、人手の返信が律速になると、温度が高いお客さまから順に冷めていきます。
なお、フォームで受けた見込み客を「どう仕分けて次につなぐか」は予約以外でも使える設計です。くわしくはLステップの診断・回答フォームで見込み客を仕分ける設計に書きました。
「うちの予約の流れだと、どこまで無料で組める?」を相談したい方へ。 いまの受付〜確認〜前日連絡の流れをうかがえれば、3部品のどこを仕組みにすべきか、具体的にお答えします。
無料で始めるときの注意点
ここまでの方法で組めるとはいえ、3年運用してきた立場から、先に言っておきたい注意が3つあります。
注意1:二重予約はLINEだけでは防ぎきれない。 回答フォームは「申し込みを受ける」のは得意ですが、「同じ枠を自動で塞ぐ」のは苦手です。枠数が少ない業態なら、確定の返事を人が返す運用(受付は自動・確定は人)で十分防げます。スタッフ数×メニュー×時間帯で枠が複雑なら、そこは予約専用の有料サービスの領分です。
注意2:「全部LINEで完結」にこだわらない。 私はガス料金見直しの相談窓口で、当初はLINE内で完結させる設計にして、途中で止まる人が想像以上に多いことを経験しました。設計を変えて、早い段階で電話につなぐ形にしたら安定した——LINEは万能の箱ではなく、受付と連絡の装置と割り切る。予約でも、込み入った相談や日程変更は電話や人のトークで受けるほうが速いことがあります。
注意3:リマインドは「多いほど良い」ではない。 前日のお知らせは役立ちますが、当日・前日・3日前と重ねるとブロックの原因になります。まず前日1通から。送る時間帯も、相手が読める夜〜夕方に寄せます。「いつ送ると読まれるか」の考え方はLINEのリピート配信を「切れる頃」に送るタイミング設計が参考になります。
有料ツールに切り替える目安

「無料でどこまで粘るか」は、件数ではなく3部品のどれが人手の限界を迎えたかで判断するのが、私のおすすめです。
- 受付が限界(返信が追いつかない)→ フォーム受付の自動化で解決。まだ無料圏内です
- 台帳が限界(転記ミス・二重予約が出た)→ 状態管理の設計で粘れるか、枠管理が複雑なら有料の予約サービスへ
- リマインドが限界(送り忘れが常態化)→ リマインダ配信の自動化。ここも無料圏内です
つまり、本当に有料ツールでしか解けないのは「複雑な枠の自動管理」だけです。逆に言えば、受付とリマインドを仕組みにするだけで、予約業務の体感はかなり軽くなります。月額を払う前に、どの部品が悲鳴を上げているのかを一度見てください。
予約の状態管理をもう一段深くやりたい方は、Lステップの進捗管理・ステータス可視化の設計で、台帳づくりの考え方を詳しく書いています。
自分で組む前のチェックリスト
- 直近1週間の予約のやりとりを数える(受付・台帳・リマインドのどれに時間を使ったか)
- 業種を確認する(飲食店→「LINEで予約」/それ以外→Lステップのフリープラン)
- 受付フォームの質問は4つまで(日時・メニュー・名前・連絡先。長いフォームは離脱します)
- 確定の返事を誰が返すか決める(受付は自動・確定は人、から始める)
- 前日のお知らせを1通だけ設定する(重ね送りはブロックの元)
まとめ:予約システムは「探す」より「分ける」
- LINEの予約システムは無料で作れる(LINE公式アカウント単体/飲食店の「LINEで予約」/Lステップのフリープラン)
- 中身は受付・台帳・リマインドの3部品。どこまで無料で足りるかは部品ごとに決まる
- Lステップならフォーム→自動通知→対応マーク→リマインダ配信で3部品が揃う
- 有料ツールの独壇場は複雑な枠の自動管理だけ。まず悲鳴を上げている部品を特定する
『予約のやりとりだけで、夜が終わっている』——もしそうなら、今夜はまず、この1週間の予約のやりとりを3つの部品に振り分けてみてください。どれが一番重いかが見えた時点で、やるべきことの半分は決まっています。私の3年も、その仕分けから始まりました。
「うちの場合はどの方法?」を確かめたい方へ。 予約の流れと件数をうかがえれば、無料で組める範囲と、有料に切り替える境目を具体的にお答えします。しつこい営業はしません。
この記事を書いた人 高山 暁|LINE公式アカウント×Lステップの構築・運用代行 「受付フォーム→自動通知→状態管理→配信」の仕組みづくりを3年継続中。1アカウント・入口223本・友だち4,559人・回答フォーム約135本を「誰がどの段階か分かる形」で運用。複数業種のLステップ実案件に従事。
公開日:2026-07-17

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